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- 2024.06.17メディア / NEWS
阿部美奈子先生(『犬と私の交換日記』著者)との対談記事はこちら

獣医師・動物医療グリーフケアアドバイザー阿部美奈子先生にTHE DOG COMPANY鈴見純孝さんが尋ねる



【犬と飼い主の「グッドエンディング」とは】
魚眼レンズで撮った“鼻デカ”のかわいい犬達。きっと誰もが知っている、「THE DOG™」。
そのブランドを運営する『THE DOG COMPANY』がペット火葬・自宅葬「PパウズAWS MメモリーEMORY」をスタート。
『THE DOG COMPANY』代表取締役、鈴見純孝さんが『RETRIEVER編集部』制作『犬と私の交換日記』の著者にして動物医療グリーフケアの
第一人者、阿部美奈子先生を訪ねた。
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阿部先生(以下、阿部):「THE DOG」のアイテム、もちろん知っています。かわいいですよね~。
鈴見さん(以下、鈴見): ありがとうございます。もともと僕は「RODY」や大手テーマパークの商品などキャラクターグッズを37年ほど扱ってきまして、4年ほど前に知人の紹介で「THE DOG」ブランドを引き継ぎました。当時からカレンダーやぬいぐるみなどに加えてアパレルや生活雑貨なども展開していたのですが、引き継いだ時から僕は、「THE DOG」の抜群の知名度を生かして、キャラクター業界だけでなくペット業界でも何かしたいという思いを持っていたんです。
阿部:鈴見さんもペットを?
鈴見:はい、子どものころから動物大好きで、現在、我が家には13歳のトイ・プードル、ベックがいます。今まで一緒に暮らしたのは、犬5頭、猫8匹、鳥は…50羽くらいかな。
阿部:それはすごい(笑)。
鈴見:なので当然、たくさんのコ達を見送ってもきました。だから「THE DOG」で何かペットのための仕事をしたいと思った時、最初に思い浮かんだのは「ペットの葬儀」でした。とはいえ、ペット葬儀では新参者なので、簡単ではなかったです。僕らなりに勉強しながらやってきたので、「PAWS MEMORY」の立ち上げには3年ほどかかりました。調べれば調べるほど奥深いですし、いろいろなご意見もありますし。ブラッシュアップすべきことはたくさんありますが、なんとか試走的にスタートさせたのが去年の夏です。
■グリーフケアは生きている時から
阿部:「ペットロス」っていうと、亡くなった後に飼い主をどうケアするかということばかりに意識が向きがちですが、実は、愛犬が生きている時からグリーフケアは始まっているんです。愛犬の死が近づくと、人の心はすごく重くなります。愛するコが死んでしまうかもしれないというグリーフに襲われるから、笑顔がなくなってしまう。そうすると、犬にしてみれば、今までいつも笑顔で「○○ちゃん」って呼びかけてくれていた飼い主が、急に毎日苦しそうな顔をしているし、自分の名前も呼んでくれない。怖い顔で無理やり何か飲ませようとしたりもするし。犬は自分の病気のことなんかわからないから、「ボク、何か悪いことしたのかなあ」って、自信をなくしてしまうし、おうちという大好きな居場所が今まで通りではなくなった状態で最後が来る…。これって全然グッドエンディングじゃないですよね。私が広げている動物医療グリーフケアが目指しているのは、病気になっても、“このコ”が最後まで安心して暮らせる我が家を守ることです。主役は常に、このコ。いつか必ず寿命は来てしまうけれど、それがグッドエンディングにつながります。
鈴見:そうですよね。
阿部:グッドエンディングを迎えられたとしても、その後の葬儀がよくなかったらそれがグリーフになりますから、葬儀はとても大事なんです。
鈴見:おっしゃる通りです。今日はぜひいろいろ教えてください。
■お別れの時間をゆっくりと自宅で
鈴見:ペットロスはなぜ起きるのだろうと自分達なりに勉強して気づいたのは、やはり、ちゃんとお別れができていないからだろうということでした。そこで「PAWS MEMORY」は、しっかりお別れができる時間を持てる葬儀プランをご用意しています。①ペット葬儀プランナーが飼い主を最後までサポートする、②ご自宅でゆっくりとお別れの時間を過ごしていただく、③「ペットセレモニーカー」(ペット専用霊柩車)で亡き愛犬をお見送りする、④自由に選べるプランをご用意している、などが大きな特徴です。
阿部:(パンフレットを見ながら)すごくきれいですね。ペットセレモニーカーも実際に見せていただきましたが、かわいい車ですね。
鈴見:愛犬が亡くなってご連絡をいただいたら、まずはペット葬儀プランナーがご自宅におうかがいして、いろいろなプランをお見せしながらご相談します。すぐにこちらでご遺体を引き取ってしまうのではなく、一日でも二日でも、ご自宅でゆっくりとお別れの時間を取ることをお勧めしています。専用保冷装置のレンタルもできますので、ご家族の予定が合わないなど、場合によっては1週間でも10日でも時間を取って過ごしていただけます。
阿部:それはいいですね。お別れの時間はグリーフケアではすごく大事なことですから。エンゼルケアもありますよね?
鈴見:はい。オプションでご希望があれば飼い主さんが一緒にエンゼルケアしていただくこともできます。花で飾った祭壇をご用意してホームセレモニー(ご自宅での葬儀)の時間をお過ごしいただいた後、出棺のご準備。ペット葬儀プランナーがご自宅にうかがって、お見送り(出棺)の準備をします。祭壇に飾った花はエンディングフラワーとして一輪一輪、エンゼルバスケット(棺)へ。火葬の当日はペットセレモニーカーでお迎えにあがります。そこでご家族とお別れしていただき、丁寧に棺をお預かりし、火葬へ向かいます。そして火葬後にご返骨しますが、木箱に入れてお返しした遺骨を、ご自宅にてご家族の手で骨壺に納めていただく「自宅拾骨」も、ご希望により対応いたします。これはおそらく当社独自だと思います。
■すべてのコがオンリーワン
阿部:心を込めてやっておられて、すごくいいと思います。ただ、私は厳しいので…(笑)、感じたこと、言ってしまってもいいですか?
鈴見:もちろんです! 今日はそのつもりで参りましたので。
阿部:よく勉強されていて、素晴らしいです。ですけど、亡くなったコのことを一番に考えてほしいんです。
鈴見:と、おっしゃると…?
阿部:飼い主に寄り添うには、飼い主が一番大切にしている、このコに寄り添うことが一番大事なんです。でも、どうしても飼い主のほうだけ見がちなんですよ。私が動物医療グリーフケアで常に言っているのは、すべてのコが「オンリーワン」だということ。同じコはいないんです。だから、亡くなった後も、主役は飼い主じゃなくて、このコ。葬儀も「このコならでは」のアレンジを、何か入れてあげてほしいです。最初のご相談に行ったら、まずは「出会い」の話を聞いてくださいね。出会いがあったからこそ、別れがあるんですから。「○○ちゃんとはどこで出会ったんですか」とか「どうして○○っていう名前にしたんですか」とか。そうやってお話を聞いていくと、気持ちがほぐれて、話しやすくなります。それで例えば、ここが毎日の散歩コースだったということがわかったら、「では火葬に行く時は、そこを一周してから行きましょうか」とか、そのコならではのエッセンスを加えられると思うんです。
鈴見:なるほど…。おっしゃる通り、飼い主満足度のほうに重点を置いてしまっている面はありますね…。
阿部:出会った時から亡くなるまで、主役はこのコ。飼い主じゃないんです。そして亡くなった後も、このコの存在は消えません。
鈴見:飼い主目線ではなく、亡くなったコ目線で、ということですね。そこは気づいてなかったなあ…。大事なことを教えていただき、ありがとうございます。
■このコとのストーリーを
鈴見:今日の対談に先立って先生の『犬と私の交換日記』を読み返してきまして、「このコとの出会い」のストーリーを振り返ることの大切さを改めて感じました。そこで、ちょっとした映像を作ってお渡しできたらと考えたりしていたところです。飼い主さんが少し落ち着かれてから、写真を数十枚いただいて、出会いからのストーリーをお聞きして。
阿部:いいですね。「どんな写真がありますか」、「この写真はいつですか」、ってお話をしながらね。亡くなってすぐは、飼い主さんは頭が回らないと思うので、タイミング的には、1週間とか10日とかたって少し落ち着いたころがいいですね。
鈴見:そうですね。
阿部:やっぱりね、亡くなったという現実を、頭ではわかってても、心はそんなに簡単には受け入れられない。それは自然なグリーフだから。これって現実なのかな、夢なのかなって心がさまよいながら、でも目の前にはこのコの遺体があるわけでしょう。今までのいつもの日常のように一緒に過ごしているうちに、「ああ、このコは生涯を終えたんだ」ってようやく心が追いついてくる。そして火葬がすむと、おうちの中で当たり前だった風景が、今までと変わってしまうんですよね。あのコがいないから。いつもここにいたのに、あそこにいたのにって。それがペットロスなんですよ。あのコの姿がない風景に慣れていく時間が必要。だから、愛犬の写真を見返して、思い出をまとめるというようなことは、すぐにできる人もいるけど、そういうことができるようになるまでにはかなり時間がかかる人が多い。
鈴見:この『犬と私の交換日記』をお渡しして書いていただくとか。
阿部:それ、すごくいいと思います! これはこのコとのストーリーを書き込んでもらう本ですから。書いてもらった本をお預かりすれば、それを見ながら写真を選んで映像にしたりできそうですね。この本、足型のスタンプを取ることをお勧めしているページもあるんですよ。
鈴見:弊社の「PAWS MEMORY」、その意味は「ペットの足(肉球)の思い出」ですから、足型を取って飼い主さんにプレゼントしようっていうアイデアは、以前からずっとあったんです。この本をお渡しするの、今後はぜひやっていきたいですね。
阿部:足型スタンプは、愛犬の姿が「形」として残るから、すごくいいんですよ。愛犬の肉球がじかに触れた、そのものだから。足型を取らずに早々に火葬してしまって悔やむ飼い主さんってけっこう多いので、ぜひやってあげてくださいね。今日はちょっと厳しいことも言ってしまいましたけど、それはお話をうかがっていて、「PAWS MEMORY」はとても誠意を持って取り組まれていることがわかったので、「もっと、もっと!」に応えていただけそうだなと思ったからです。どのコもみんなオンリーワン。犬達のために、期待しています!
鈴見:たくさんのヒントもいただきました。今日は大変ありがとうございました。
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■阿部美奈子(あべみなこ)
獣医師・動物医療グリーフケアアドバイザー。2006 年より「待合室診療」を開始。2010 年にマレーシアに移住し、現在は日本とマレーシアを往復しながら待合室診療のほか、各種セミナーや講演会を開催。
■鈴見純孝(すずみよしたか)
THE DOG COMPANY 代表取締役。2020年5月に「THE DOG」全事業を授受、「THE DOG」ブランドの各種サービスを展開中。2022 年7 月に移動型ペットサロン「THE DOG SALON トリミングワゴン」、2023 年8 月にペット火葬・自宅葬「PAWS MEMORY」を開始。
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